スーパーで柿3個480円、ためらいなくカゴに入れられますか?
みかんリンゴを箱で買えますか?
食品輸入拡大で私たちの暮らしは楽になりましたか?
賃金が低下し、家計所得が著しく減少し続ける中、年少扶養控除や成年扶養控除の廃止・縮小、健康保険や厚生年金保険料の値上げなどが相次いで実施されます。こうした時に、消費税率の10%引上げを強行すれば、復旧・復興が遅れる被災地、原発事故に苦しむ被災者を始め、働く人や中小企業の家計、経営を直撃することは明白です。未曾有の東日本大震災被害から、生活・雇用の場としての地域再建を急がなくてはなりません。生活保障をはじめ原発事故避難者に対する総合的支援体制の確立・継続や、受入自治体への財政措置強化をはかり、弱者に手厚く福祉が充実した地域コミュニティの再生に全力をあげます。
また現行の社会保障制度は、右肩上がりの経済成長を背景として一家の大黒柱が終身雇用制度のもとで働くことを前提に、企業内・家庭内福祉を含んで設計されています。生活再建が困難な社会の現状や、雇用と生活形態の大きな変化と迫り来る高齢社会に対応するためには、抜本的な社会保障制度の見直しは待ったなしの課題です。
消費税増税、国民生活を破壊するTPP参加を食い止めよう
○国民の生活が疲弊する中での大増税は、消費を冷え込ませ、デフレ不況をさらに深刻化させるだけです。いま必要なことは、所得の引上げ・雇用の安定に向けた政策を総動員し、家計所得を増やして消費を拡大し、デフレを脱却させなければなりません。「消費税増税法」の実施をストップさせるため、「消費税増税廃止法案」を国会に提出し、成立に全力を上げます。
○TPP(環太平洋経済連携協定)は例外なき関税撤廃と幅広い分野の自由化を包括的に進めるという新自由主義に立った自由貿易を超えるものであり、米国が進めるアジア・太平洋重視の輸出戦略の一環として秘密交渉により米国企業優位のルールが強制され、日本の社会資本、主権が奪われる危険性があります。「開国」の名のもとで21分野もの市場開放の影響は農林水産業をはじめ国の隅々にまで及び、地域社会が破壊される懸念が強まっています。安い輸入商品の氾濫により、デフレや賃金低下を加速化させ、国民生活や中小企業を苦しめ、経済が縮小するおそれがあり、参加を食い止めなければなりません。
○農林水産省は、関税撤廃により①農林水産物の生産減少額は4.5兆円・米は9割減少、関連産業も含めたGDP(国内総生産)減少額は8.4兆円②農業の多面的機能の喪失は3.7兆円規模③就業機会は350万人減少、食料自給率は13%にまで激減――と試算(2010年)しており、その影響の甚大さは図り知れません。「食料自給率50%目標」達成が到底不可能になるばかりか、東日本大震災で大きな被害を受け、いまだ復旧の途上にある東北の農林水産業や中小企業の復興への意欲を阻害する懸念もあります。食の安全・安心に関しても、米国が障壁と見なす参加国の食品表示制度が緩和されれば、遺伝子組み換え食品の輸入増加、残留農薬基準の緩和、食品添加物の承認拡大、米国産牛肉の輸入条件緩和等が進み、国民の健康、環境を悪化させ米国による食料支配を加速化させかねません。社民党は農林水産物の関税撤廃を防ぎます。
○TPP参加の悪影響は農林水産業への打撃にとどまりません。例えば日本の医療制度が米国主導の「グローバルスタンダード」に合わせることを求められれば、外国企業の参入による営利事業化や混合診療の拡大、公的な薬価制度への関与が高まり、国民皆保険制度が壊れ医療費は高騰。富裕層しか医療を受けることができなくなる恐れがあります。このほか政府調達(公共事業への外国企業の参入)、金融(郵政や共済事業に対する民間企業との同等性要求)、労働(外国人労働者の大量流入や金銭支払による解雇の環境整備)、越境サービス(医師・看護士・介護士・弁護士等の「資格の相互承認」要求)、貿易円滑化(水際体制の弱体化による麻薬や密輸品等の流入の可能性)など21分野の市場開放によって国のかたちが大きく変わり、国民生活に多大な影響を及ぼす事態が危惧されます。社民党はTPP参加を防ぎます。
○TPP「ISD条項」(国家と投資家の間の紛争解決手続き)は、国が自国民の健康・福祉・安全・環境などについて自分たちで決められなくなり、グローバル企業が各国の民主主義を侵害することを認める危険性があります。外国企業に訴えられて国民主権を侵害される、巨額の賠償金を支払わされるリスクを余りにも軽視しています。何より21分野の詳細な交渉内容・論点・合意点や、何が日本の国益となるのか、農業をはじめ各産業への打撃や国民生活への影響にどう対処するのかといった、国民がきちんと判断するための情報すら満足に公表されないままのTPP参加を食い止めます。
○各国の食料主権に反し、自然資源や生態系を壊し、持続可能な農林水産業や地域社会の崩壊など国の基本を投げ出す戦略なきTPP参加は断じて認められません。参加を阻止し、関係国との事前協議も打ち切ります。今必要なのは米国主導の巨大なTPPに追従することではなく、大震災からの復旧・復興、被災者への支援に全力を挙げるとともに、「ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス日中韓」など東アジアを中心とした相互互恵的な経済連携の推進です。社民党は農林水産業や地域経済の再生、公的医療制度の維持・強化、食の安全や社会的規制の強化、農林水産業・福祉・環境・労働分野への投資拡大をはかるとともに、各国の食料主権や多様な農業基盤を守る真に公正で柔軟な経済連携を東アジア地域などで進めます。
○WTO(世界貿易機関)農業交渉やEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)交渉は、各国の多様な農業の共存、食の安全、環境保全、農業基盤を守ることを基本に、地域への影響を慎重に判断し、基礎的食料は重要品目として除外するなど柔軟な取り決めを目指します。各国の食料主権を守り、一次産業を活性化する公正かつ社会的な貿易ルールを求めるなど、WTOを改革します。
○WTOドーハ・ラウンドでは、輸出国による保護の大幅な削減要求やセーフガードの削減など暴走する自由化要求に歯止めをかけ、重要品目の関税削減や低関税輸入枠の拡大は認めず、国境措置や国内支持の柔軟性を確保し、セーフガードは維持・拡大します。ミニマムアクセス米(毎年77万㌧)の輸入拡大も認めず、削減・廃止をめざします。
○米や牛肉、砂糖などの関税撤廃など日本農業・農村に壊滅的な打撃を与えかねない日豪EPAには反対します。
「生活再建」「人間の復興」に邁進
・「制度に合わせた復興」ではなく、「復興に合わせた制度」を実現し弾力的運用を行います。復興の進捗状況に応じて変化する被災地の要望を、的確に反映する支援制度を確立します。
・復興交付金の一括配分の制約を撤廃するなど、国による復旧・復興事業への各種財政支援を事情に応じ、生活再建のニーズに即応して柔軟に拡充・継続し、各地域の主体性・独自性も十分に発揮できるよう改めます。
・予定年度内にやむを得ず事業完了しない復旧・復興事業については、必要に応じて弾力的に繰越を認め、手続きも簡略化します。
・生活再建へ、被災者・避難者むけ雇用の創出・拡大と住まいの再建は待ったなしです。災害復旧事業や自治体業務に被災地の失業者を優先的に雇用拡大するほか、安定した雇用創出の支援策を拡充します。
・被災企業の復旧を支援する「第8次中小企業グループ化補助金」の遡及支給をはじめ、支給の要件・対象範囲を拡大、柔軟に運用します。災害公営住宅の整備を急ぐとともに、「生活相談支援員」などを配置したシルバーハウジングを実現します。
・二重ローン問題解消に向けて強力にサポートします。固定資産税の課税免除措置を延長します。
・消費税増税は本来撤回すべきですが、仮に実施する場合でも復興に重大な支障を生じさせることから、被災者の住宅再建にかかる消費増税の据え置きなど、被災地に対する特例措置を強く要求します。
・被災地で進む公的支援の縮小に歯止めをかけます。医療・介護の保険料と窓口負担の免除や失業給付延長などの社会保障分野、所得税・住民税の減免などの税制分野について、被災者が一定の生活再建を果たすまで、支援が打ち切られることのないよう法整備を進めます。
・震災で肉親を失った遺族や生活・事業基盤を失った被災者が精神的に追い詰められることのないよう、全額国庫負担による生活保護制度の迅速・弾力的な運用や「自殺対策緊急強化基金」の設置期限を延長し大幅な基金の積み増しを実施するなど、長期にわたり万全の支援策を講じます。経済的理由で就学の機会が奪われることのないよう、学費・入学金・給食費などの減免を実施するとともに、無償給付型や地域特別枠を含む公的奨学金制度の拡充をはかります。
・復興の主役は「ひと」です。被災地での人材不足が深刻な医師・看護師、介護職員、保育士等の確保対策を推進します。被災した児童・生徒に対するきめ細やかな心のケアや学習指導を継続実施できるよう、被災県への中長期的な教職員の加配措置を充実させます。全国からの職員派遣増加や経験者を中心に中途採用できる十分な交付税措置、職員への心のケアの拡充、被災地の職員定数増など、復興を最前線で担う被災自治体職員への支援を早急に強化します。
原発事故避難者支援、放射能汚染対策
・「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針を一刻も早く作成し、移動・居住・就労・医療と健康管理・所得減など、東京電力福島第一原発事故によって生じた新たな生活ニーズ全般を支援対象とし十分な予算措置を講じます。
・ワンストップ型の相談窓口を各都道府県につくり、避難場所によって受ける支援に格差が生じないようにするとともに、全国どの自治体においても被災者・避難者が検診などを将来にわたり継続して受けられるよう万全の健康管理体制を構築します。避難者個々人の「被災者カルテ」を作成し、受入自治体と避難元自治体との緊密な連携をはかります。
・低線量地域への避難が困難な子育て世帯に対し、子どもたちの被ばく線量低減に向けた「保養制度」を自治体やNPOなどと連携して推進します。農林水産業や観光業などへの風評被害も含め、放射性物質の汚染に伴う全ての損害について賠償すべき対象として早急に方針化するとともに、東京電力に対し幅広く責任を認め被害者の立場にたって迅速かつ十分な賠償を確実に行うよう強く求めます。
・福島原発事故による放射能汚染対策として汚染稲わら、牧草などの最終処分を国の責任で早急に行うほか、水路を含む被災農地・森林の除染や塩害対策を急ぐなど、震災と原発事故によって低下した農林水産業生産の復旧・復興に向けて万全の策を講じます。
世界に誇る国民皆保険を堅持します
社民党は、基礎年金を最低生活費と規定し直して、老後の生活の安定を図ります。さらに、若者支援、出産・子育て支援、長期失業者の再就職支援、高齢者・障がい者の雇用と社会参加の促進など、人生の節々に力点を置き、性別、年齢にかかわりなく、一人ひとりの能力が発揮できよう積極的な福祉政策を行います。
・すべての国民が各公的医療保険に加入し、いつでも、どこでも、だれでも安心して医療を受けられる国民皆保険制度を堅持します。同制度の崩壊につながりかねないTPPの導入を許しません。
・無保険者をなくし、医療を受ける権利を保障します。パート、アルバイトなどを含め、すべての被用者を組合健保または政管健保に加入させることを義務づけます。中小零細企業や個人事業主については、実態に即して、雇用主負担割合の減免措置を講じます。
・国民皆保険制度の趣旨から、資格証明書を義務づけた法律を廃止し、保険料滞納者であっても正規の保険証を交付する制度に変更します。
・国民健康保険料は、医療費を按分して負担を課す現行方式を見直し、所得に応じて累進的に負担する応能負担方式に改め、払える保険料にします。
・安全性、有効性、普遍性が確認され、国民にとって必要な医療は速やかに保険適用をはかり、所得の格差が医療内容を左右する混合診療は導入しません。
・公費を投入して市町村国民健康保険の強化に取り組みます。保険料の減免制度を充実し、保険証の取り上げをやめ、無保険者をなくします。
・子育て世帯の保険料負担を軽減できるよう市町村国民健康保険の保険料の算定方法の見直しに取り組みます。例えば18歳未満の子どもは被保険者人数から外し、その部分は国庫負担とすることなどを検討します。
・国民健康保険の都道府県単位の財政調整の強化により広域化を図るとともに、保険者機能の強化、財政の安定化、医療供給体制などの面から、市町村国民健康保険のあり方、健康保険の適正規模を検討します。
・「特定検診・保健指導の実施率」「内臓脂肪症候群の該当者・予備軍の減少率」は、保険者の努力だけで改善できるわけではありません。健康・経済・雇用などの面から総合的な検討を行います。実施率や減少率に応じて、保険者の支援金を加算・減算の対象とすることを撤回します。
・後期高齢者医療制度を廃止します。「後期高齢者医療制度」は病気になるリスクの高い年齢層を他と切り離し、高齢者の医療費削減を目的に設計されています。将来、医療内容が制限されかねないうえに、保険料負担は上昇率が非常に高く、見直しが必要です。
医療
・医師や看護師など医療従事者の数を増やします。日本の人口千人当たりの医師は2.1人、OECD平均の3.1人をはるかに下回り、医師の4割が過労死ラインとされる月80時間以上残業をしています。地域医療を担う総合医師、小児科・産婦人科・麻酔科の医師を増やすために、医師研修制度のあり方、地域の採用枠と診療科の採用枠の設定、診療報酬などについて改善を行います。
・看護師やコメディカルスタッフ(薬剤師・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士など)の増員と労働条件の改善を行います。また、短時間正規雇用の導入、院内保育所など職場環境を整備し、女性医師や医療従事者の仕事と家庭の両立支援を行います。
・地域の公的病院の統廃合に歯止めをかけ、がんや脳卒中の治療、救急医療・産科・小児科などを確保し、地域の医療を守ります。
・地域における医療施設の機能分化を明確にし、院内・病院間・地域の医療の連携を強化して、情報の共有を行うシステムをつくります。各都道府県が、救急搬送システム、受け入れ医療機関の確保に責任を持てるよう国が援助を行います。
・“医療難民”“介護難民”をなくします。療養病床に関する改定を是正し、療養病床の削減計画を早急に見直します。
・機械的に日数のみでリハビリを打ち切る、リハビリ日数制限を撤廃します。個々の患者の病状や障がいの程度を考慮し、継続したリハビリを保障します。
・在宅医療を中心にすえ、切れ目のない医療と保健、福祉を結ぶ「地域包括ケア」の実践を広めます。
超高齢社会へ対応するために、リハビリ医師の育成、緩和ケアの充実に取り組みます。
・がんの予防と早期発見の推進、がん検診の質の向上、がん医療の均てん化の促進に取り組みます。専門的な知識や技能を有する医師等の育成、医療機関の整備を推進します。がん対策基本法にもとづいて制定された「がん対策推進基本計画」を着実に実行します。
・「C型肝炎救済特別措置法」「B型肝炎救済特別措置法」「肝炎対策基本法」を円滑に運用するとともに、全国的な肝炎治療体制の整備、医療支援、治療中の生活支援を拡充します。血液製剤によって肝炎ウィルスに感染した血友病患者についても賠償と同様の支援策を早急に構じます。
・難病の調査研究費を増やし、特定疾患の対象を拡大します。難病患者の治療の確保、負担軽減、療養環境の向上の観点から「難病対策基本法」をつくります。
・患者の権利を確立します
患者本位の医療を実現するために、インフォームド・コンセント(十分な説明と理解、納得したうえでの合意)を徹底します。「患者の権利基本法」を制定します。カルテ開示の法制化やレセプト(医療費明細書)の開示を早急にすすめ、患者や家族が医療記録を知る権利を保障します。
・医療事故の再発を防止します
「医療基準監督局」(仮称)を設置し、医療事故の原因調査、再発防止のために、医師の事故報告の義務化や安全指導を行います。また、被害者救済のための公的医療賠償責任制度をつくります。
・予防接種の副反応についてモニタリング体制を抜本的に拡充し、迅速な被害救済をすすめます。子宮頸がんの予防をうたう、HPVワクチン接種で、重篤な副反応が多発しています。同ワクチンの定期接種を中止します。婦人科検診の充実で子宮頸がんを予防します。
・国公立病院におけるエイズ患者・感染者の受け入れ体制の強化、医療従事者の養成、患者・感染者に対するカウンセリング体制など、医療体制を整備、充実します。日本がワクチンや根治薬の開発など研究分野をはじめ、国際協力に積極的な役割を果たす推進をします。
身近な地域で安心して妊娠、出産、育児ができるようにします
・助産師の力を活用し、助産院、母子健康センター、産院など、妊婦健診と正常分娩の受け皿となる分娩施設を身近な地域に増やします。
・妊婦健診や分娩を健康保険の適用にして、医療やケアの内容、料金の透明性を高めます。基本的な妊婦健診と出産を無料化します。
・身近な地域の小児医療体制を拡充します。子どもの医療費を中学校卒業まで無料にします。
・不妊専門相談センター、不妊治療に関する経済的負担を軽減し、不妊治療への支援に取り組みます。
介護
1. 特養ホームや小規模多機能施設の増設、在宅生活の支援強化で、高齢者の生活を支えます
特別養護老人ホームの入所者は約42万人。入所待機者は入所者数を上回っています。5カ年計画を策定し、特別養護老人ホーム、介護保険施設、介護療養型医療施設などを、現在の倍に増やします。
住み慣れた地域で暮らしつづけられるように、小規模多機能施設、グループホーム、ケアハウス、有料老人ホームなど多様な施設を大幅に増やします。
訪問介護サービスの大幅な拡充と訪問看護の充実で、高齢者の在宅生活を365日24時間、支える体制をつくります。
介護療養病床を削減・全廃する計画をストップさせます。地域に必要な医療と介護を受けられるように医療と介護の連携をすすめます。
2. 「要支援」を介護保険の対象から外すことを阻止します
厚生労働省は、介護の必要度が低い「要支援1」「要支援2」と認定された人向けのサービスを、介護保険制度から切り離すことも含めて見直していく方針を固めています。また、政府の社会保障制度改革国民会議は、軽度の高齢者は保険給付から市町村事業に移行し、ボランティア、NPOなども活用して効率的に実施すべきだと提案しています。軽度者のサービスを切ることは介護の社会化に逆行し、介護保険制度への信頼を揺るがすものであり反対です。
3. 保険料・利用料金を見直し、安心して利用できる制度へ改革します
介護保険料の段階区分をより細かく設定し、低年金、低所得の高齢者の保険料負担を軽減します。公費負担割合の引き上げ、各都道府県に設けられた「財政安定化基金」の活用で保険料の引き上げを緩和します。
介護保険の利用料負担が重荷となって、必要なサービスを利用できない低年金、低所得の高齢者が生じないよう、利用料の減免制度を徹底します。
介護施設の食費・居住費が全額自己負担になったことにより、施設利用を困難にしています。補足給付を拡充し利用者負担を軽減します。
4. 介護認定を簡素化します
要介護者の生活実態やニーズと介護認定結果との乖離により、在宅生活に困難が生じています。事務手続や時間がかかる介護認定を見直し、現行の7段階から3段階程度に簡素化します。ケアマネジャーなど現場の専門家の裁量を大きくするしくみを検討します。
軽度の認定者であっても、訪問介護、通所介護、福祉用具など、本人の生活に必要なサービスは利用できるようにします。同居家族がいることを理由に生活援助制限が行われないよう是正します。
5. 労働条件の改善と人材育成に取り組みます
介護労働者の正規雇用化を進めるとともに、低賃金を計画的に改善します。
施設の人員基準の改善(介護施設の配置基準を現行の3対1から2対1に見直す)、事務負担の軽減、専門性を高める研修制度の充実などに取り組みます。介護を働きがいがあり、継続できる仕事に改善し、就労者を増やします。
6. 地域で暮らし続けられるよう総合的な高齢者福祉政策を充実します
認知症の予防・早期治療・介護の質的向上、家族への支援態勢などを行います。
地域包括支援センターの機能を強化するとともに、老々介護や独居、虐待、低所得など、高齢者のさまざまな問題について自治体が責任を持って解決ができるよう態勢を整えます。
7. 介護費用の国庫負担を引き上げます
介護基盤の整備、介護報酬の引き上げなどに伴って上昇する介護保険料・介護利用料を抑制するために、国庫負担割合を30%に引き上げ、さらなる引き上げを検討します。
8. レスパイトケアを拡充します
高齢者虐待、障害児・者虐待の背景には家族の介護疲れがあります。在宅でケアをしている家族を癒やすための一時的なケア(レスパイトケア)が必要です。レスパイトケアの社会的な認識を高めるとともに、レスパイトケアを保障する制度や施設への短期入所や自宅への介護人派遣など家族支援サービスを拡充します。
自殺防止対策
1.自殺は防ぐことのできる社会的問題として総合対策を推進します
国・自治体・民間の実態調査、情報提供を踏まえ、地域の特性や原因に即した戦略的な自殺総合対策を推進します。
自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題であり、早い段階で経路の連鎖を断ち切ることが重要です。ハローワークなどを拠点に、就労と生活支援、心の悩み相談、多重債務者支援等のワンストップ窓口の開設に取り組みます。
自殺防止に取り組むNPO団体の知恵と熱意を最大限にいかします。
2.自殺の再発を防ぎます
自殺未遂者の自殺再発を防ぐために、救命救急センターに精神科医師を配置するなど、精神科医による診療体制の充実、福祉との連携強化等をはかります。家族など身近な人の見守りを支援します。
3.子どもの自殺、いじめをなくします
児童・生徒が楽しく仲間と学ぶ場となる学校を目指します。自信と仲間への信頼感を醸成できる場となるよう、生涯教育の一環として幼児教育、学校教育を見直します。生徒、親、教師など学校における当事者参画の仕組を目指します。
小・中学校、高校にスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの配置を拡充します。
2013年参院選公約より抜粋